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2008年12月25日 (木)

経済評論とマスコミの記事はなぜ間違いが多いのか?~「ソニータイマー」について考える

現在の大不況を受けて、松下、ソニー、トヨタ、キャノンなどの経営状況や売上低迷の記事が雑誌やニュースをにぎわしている。

松下、ソニー、トヨタ、キャノンは景気がいい時も悪い時も日本を代表する企業であるためマスコミの格好の記事対象になるからだ。

私がソニーのエンジニア時代には雑誌や新聞で「ソニー神話崩壊」と度々書かれていたし、松下さんも「売りあげ低迷~悩める巨人松下」など書かれ、いつものように見出しを賑わしていた。

昔から、ソニー、松下は雑誌や新聞の格好の対象のようだ。最近はトヨタとキャンノも露出度が高い。
日本にはたくさんのメーカーが存在するのだから、他のメーカーさんも時々は大きな見出しで扱ってあげれば良いと思うのだが。。。。

さて、記事の内容は大抵は、事実半分(売上の数字とか。会社が公開するから当然)、嘘や間違いが半分(社内人事や内部事情)っていったところだった。記事の信ぴょう性よりも、雑誌や新聞が売れれば良いという発想で書いている記事が多いようだ。

ただ、ライターさんやエコノミスト方の中には、しっかりした取材と研究をして記事や書籍にしているものもあるので、記事や書籍を書く方のモラルと実力に依存しているのであろう。

さて、最近の記事の中で「ソニータイマー」についてインターネットで見かけた。
ソニータイマー」とは、「ソニーの製品が保証期間を過ぎるとタイマーで測ったように壊れるという噂」からつけられた昔から存在する一つの「都市伝説」である。

「ソニータイマー」は、マスコミでは良くも悪くも扱われるが、最近見かけた例では、

「かってのソニーは高度な技術があったため、製品が保証期間を過ぎるとタイマーで測ったように壊れるように設計、開発が可能であった。
しかし、今のソニーはもはや「ソニータイマー」を実現できる技術力はない」

と言うものである。

つまり、メーカーが新しい製品をユーザーに購入してもらうには、今使っている製品を長く使ってもらっていては困るので保証期間を過ぎる頃に壊れるように設計するというのだ。

昔、ソニーが大変急成長しているときには、「ソニータイマー」はソニーに対する皮肉として使われた言葉だ。「ソニーは独創的で魅力的な製品が多いが、品質が伴っていない。」と。

「ソニータイマー」はマスコミにとっては、どうやらその時々で都合の言いように解釈して引きあいに出しているようだ。

私はソニーを含め家電メーカーに開発者として在籍していたエンジニアだからはっきりと言えるが、松下、ソニー、トヨタ、キャノン含め、どのような製品のメーカーも製品が保証期間を過ぎるとタイマーで測ったように壊れるように設計など絶対に出来ないし、事実、そんな設計開発方法はしていない

そもそもそんな情けないことをしないと製品が売れないと思う発想では、市場をリードする魅力ある製品を開発できるメーカーになれない

なぜ、このような嘘が市場にまかり通るのか不思議でならないが、完全な「都市伝説」である。

記事を書いている人が技術者でなく、エンジニア経験もない経済エコノミストが多いようだが、事実の真偽を真剣に確認することぜず書いているからであろう。あるは、興味本位か?

どこのメーカーの方でも実際に製品開発に関わっていれば、直ぐにデマと分かることである。

会ったこともない色々なユーザーが存在する中で、計算下通りに製品が故障するという設計は非常に困難である。必要以上に製品を頑丈につくることは、部品調達の費用対効果から実施しないしことは確かだし、最近はエコの問題もあるので、製品の廃棄処分のことを考慮することはある。

しかし、これはあくまで廃棄するのことを考慮してであり、部品の素材に含まれる成分が環境に影響を及ぼさないかとか、リサイクルのことを考慮してのことである。

日々進歩する素材の耐久性の研究のコストや、どのような状況下で、どのような使い方をするか分からないユーザーのことを考慮して、保証期間を過ぎるとタイマーで測ったように壊れるように設計など困難であるし、実際に試みるだけの価値が無い。

製品が故障するというのは多くの場合ハードウエアである。摩耗による劣化や衝突による破損などが原因である。

ソニーは昔からポータブルな製品を市場に提供して来たが、ポータブルな製品は、過酷な利用のされ方が多く、振動や摩耗による劣化や、落下による破損などが多い。

これらはユーザーの使い方、扱い方で大きく異なる。保証期間を過ぎると壊れるような設計の基準をどこにすればいいかなど誰にも分からない。

ハードウエアは素材が日々新しいものに変わるし、エレクトロニクス化も急激に進むので、一定の時間が経過すれば摩耗などで壊れることを想定する設計は困難である。

(バカバカしいが)仮に計算下通りに故障する設計を試みようとすると、多種多様な製品開発を行うメーカーはべらぼうな研究開発コストが必要だ。

また、いずれのメーカーも製品の種類に関わらず部品を他のメーカからの調達に頼っている。製品が保証期間を過ぎるとタイマーで測ったように壊れるように設計をするには、
調達先を含めて計算しつくした設計開発が必要だが、そんなことは無理だ。

それに、製品が保証期間を過ぎたからと言って壊れていてはメーカーの信用問題になり、大きな損失だ。

ユーザーに新しい製品を購入してもらうには、新しい機能を搭載した魅力ある新製品開発が一番であり、競合他社との製品開発競争もあるからメーカーは新製品開発に余念がないのだ

保証期間が過ぎる前に、どんどん新しい製品が登場するのが何よりの証拠だ。

=HSCI Takanari Hashimoto(URL:http://hsc-i.com/)=

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2008年7月18日 (金)

情緒溢れる夏の大船

昨日、仕事の移動途中で大船に立ち寄った。大船は鎌倉市に含まれるためか街並みが情緒にあふれており、昭和の風情を残している。

JR大船駅は、数年前に大きな工事が終了し、典型的な従来のJR駅から近代的な”えきなか”が充実した駅に生まれ変わっている。それでも、どこか鎌倉を感じされる雰囲気をもった駅が気がする。

この日は良く晴れた暑い天気だったが、大船駅を出て近くの「大船観音寺」に参拝した。大船駅から歩いて5分前後にある小高い山を登ったところにある観音様である。

大船観音様は美しい顔立ちが有名で、東海道線湘南モノレールからも良く見える。

湘南モノレールは江の電に比べるとやや知名度が落ちるが、世界的にも珍しい「懸垂型モノレール」で大船と江ノ島を結んでいる。
#東京モノレールに代表されるタイプは「御座型」と呼ばれるらしい。

=HSCI Takanari Hashimoto(URL:http://hsc-i.com/)=

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2008年5月27日 (火)

新潮新書「国家の品格」

発売されてからもう3年近く経つ「国家の品格」を読んだ。後ろを見ると48刷りあり263万部以上売れているとのこと。

Hinkaku

内容はアメリカ的な利益至上主義に傾倒し、日本人らしさを失いつつある日本への提言である。色々興味深く読める内容だった。

・論理では問題解決できない

・自由と平等は欧米が作り上げたフィクション

・文化と伝統を尊重しない国家は滅ぶ

・日本の武士道

・利益至上主義は犯罪的なビジネスが横行する

内容はとても共感できることが多かった。数学者としてTVでも以前から拝見していた藤原さんなので親近感を持てて読めた。

藤原さんは英語も堪能で高校生時代は全国で一番を取っているし、アメリカやイギリスの名門大学に研究のために留学している。

その藤原さんが英語は日本語をきちんと勉強した後で十分と書いてある。大事なのは教養と専門性である。昔の日本人は英語は出来なくてもすぐれた教養・専門性および人格で外国人から尊敬されていたことも書かれている。

ところが昨今は表面的な英会話ができても中身がない日本人が多く、海外から低く見られているようだ。

英語が堪能な藤原さんだけに説得力がある。

数学者の藤原さんらしいのはゲーテルの「不完全性定理」を引用しているところ。

最近は色々なところでゲーテルの「不完全性定理」を目にするのは偶然かな。

もっとも、ゲーテルの「不完全性定理」はいろいろなことに該当するから当然かもしれないが。

=HSCI Takanari Hashimoto(http://hsc-i.com/)=

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2005年6月26日 (日)

公開!!私の携帯電話Forビジネス2 「京ポン」登場

 前回に引き続き携帯電話のお話し。仕事中心に携帯電話を選んでいるので、Vodafoneのノキア702NKの紹介をしたけど、今日は京セラのPHSのエアエッジ・ホンの通称「京ポン」です。

20050626 見た目は大変薄くて一昔前の携帯ぽい。しかし軽くて高性能(あくまで私のビジネス用途からみ見て)です。

優れているのはその料金携帯。パケット利用の定額を申し込むと基本料金を入れて6000円くらい。京ポンはライトメールという普通の携帯メールに相当するメールもあるが、PCのメールを送ったり、受信したりできる。しかも20000文字。だから通常はこちらを多くの方は使うはずだ。添付ファイルも工夫がいるのだが、Officeの添付ファイルは見ることができる。

 操作性も大変良く、ボタン操作、ブラウズの見やすさは利用してみて驚く!メールを読むのも大変見やすくで楽だ。

 どれだけ頻繁に長文のメールを送受信しても値段は定額。PCやPDA機器につないでモバイル通信するときも全てこの「定額料金内」で行える。

 さて、も1つの特徴がOperaブラウザ搭載でPCで見るWEBをそのまま見ることが可能。これは便利だ。

 3つの描画モードをもっていて、用途によって切り替えて見ることができる。しかも!どれだけWEBを見てもやはり、全てこの「定額料金内」で行える。パケット通信なら6000円くらいしかかからないと言うわけだ。外出していると「乗り換え案内」、「天気」、「ニュース」、「地図情報」、「辞書」、「PCのメールアドレスに来ているメールのチェックと返信」などいろいろなことがビジネスで役立つ。これらが値段を気にならずに使えるのは、非常に役立つビジネス・ウエポンです。「京ポン」は。

QRコードもメールを利用して無料で可能。事実上全く困らない。

「京ポン」には欠点もある。私のビジネス用途から見ると、

スケジュール機能がデフォルトでない、JavaScriptのスケジュールアプリが出ているが私にはしっくり来ないので、NOKIA702を利用している理由がある。

ただし、購入するとCDROMが付属してきてPCのOutLookなどとはアドレス情報が簡単に同期できる。携帯の壁紙作成も簡単に出来る。使いがってのあるCDROMです。

あとは、カメラ。最近は200万画素の携帯もある中で若干見劣りする。もちろんこれは200万画素まで要求しないが、もう少し画素数があってもいいね。

「京ポン」はかなり売れているから、本も3冊(と思います)出ている。私も3冊とも買っている。「京ポン」の利用範囲が格段に広がる。

前回の702NKにも本があるので、それも紹介しましょう。この本もなかなかのものです。本の値段の元は十分取ってます。

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