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2012年5月

2012年5月30日 (水)

書籍「知るということ--認知学序説」~数学から見た存在論と認識論

「醜いアヒルの子」定理などので有名な渡辺彗氏の認識論の解説書。

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表紙。

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中はこんな感じ。

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「認知科学選書シリーズ」の1つ。

基本的に数学的な指向で解説は進められている。

語り口はやさしいが、内容は高度である。

過去の色々な認識論にまつわる説を簡単に紹介し、渡辺彗氏の理論で評価を与えている解説もある。

数日前ブログで紹介したバートランドラッセルの「論理的原子論」、ヴィトゲンシュタインの「言語ゲーム」なども論理的矛盾を述べ誤りとバッサリ切り捨てている。

この本は薄い本で、語り口は優しいが哲学や論理学の初心者には難しいはずである。

まず、基本的な述語論理学とその歴史に心得があり、バートランドラッセル、ヴィトゲンシュタインなどの活動や書籍に触れたことが無いと、読んでいて楽しくないはずである。

バートランドラッセルやヴィトゲンシュタインの思想や活動についての詳しい説明はないので、なぜ間違いかの真意を得ることは難しい。

また、解説は基本的に数式と論理式で行われる為に、普段から形式記述に慣れていないと、内容以前にその点で躓く。

科学的な視点からの哲学分野の解説は説得力もあるので、興味があると読まれると良い。

なお、書籍の中で最初に「醜いアヒルの子定理」を解説した本であるのか私は定かではないが、多くの論文、書籍で参考文献に掲載されている。

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2012年5月25日 (金)

書籍『構造主義方法論入門』~哲学的分析手法への哲学冒険活劇エッセイ

科学的な分析アプローチである必要条件を問われる時、「論理学的」「数学的」ということが引き合いに出されるが、日本では「哲学的」であることはあまり話題に出ない。

一般企業にて、そもそも日本では「哲学」という分野があまり重要視されていないためか、哲学的な視点からのアプローチが弱い。

「哲学」(の分野にもよるが)は「論理学的」「数学的」と強い関係を持つ。

分析対象を理解し正しい分析作業をするには、「哲学」「論理学的」「数学的」が必要となる。(もっとも、論理学も哲学の分野の1つであるが。)

特に数学と深い関係がある哲学の分野というか主義に「構造主義」であることはよく知られている。

でも、「構造主義」の本当の価値や貢献はあまり知らないことが多い。

そんな時オススメな本の1つに『構造主義方法論入門』がある。

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これが表紙。なかなかユニーク。

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裏表紙。

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中身はこんな感じ。挿絵が多くかつユニーク。

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哲学書なのに漫画が登場するところに著者の意気込みが伝わる。

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この本は普通の哲学書とは異なっている。

またよくある「1日でわかる〇〇」のような軽薄な入門書籍とも異なる。

「構造主義」と「構造主義の分析手法」について、それ以前の哲学やそれ以降の哲学、数学や論理学の話も交えて話が進む(個人的な印象として)哲学冒険エッセーとい感じだ。

エッセーといってもよくある少女趣味のそれとは全く異なり、かなりきちんとした内容である。

一方で、表紙デザインや挿絵の感じから著者のチャレンジ的な意気込みが感じられるが、好みが分かれるかもしれない。

解説は「構造主義の分析手法」を中心に据え、「構造主義」の持つ意味や価値を解説している。

著者は構造主義は実践の手法で哲学ではないと述べている。

特に理系に人間が読むと面白い感じるはずだ。

付録と参考文献が充実している。

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2012年5月24日 (木)

バートランド・ラッセルの『論理的原子論の哲学』

バートランド・ラッセルと言えば、理科系の業務に携わる人で知らない方は少ないだろう。

そのラッセルの書籍の中でなかなか興味深いのが『論理的原子論の哲学』である。

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表紙はこんな感じ。

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裏表紙はこんな感じ。

「ちくま学芸文庫」からの出版ある。最近は「ちくま学芸文庫」の本を読む事が多い。
このような専門的な本を扱ってくれる出版社はありがたい。

ラッセルは、社会運動やエッセイなどでも活躍したが専門は論理学者、数学者である。

ただし、多岐な方面の活躍と簡単に分類できない(複合的な意味もある)学問の研究で、ラッセルを特定の専門分野に当てはめるのは困難である。

プリンキア・マテマテカ、タイプ理論などで有名であるが、単なる推論の形式主義ではなく、述語論理の対象をどのように特定するか、指示や意味などにまでラッセルの研究は及ぶ。

そういう意味では極めて多彩な才能を持つ。

この『論理的原子論の哲学』は、ラッセルの本の中では異色で、専門家向けで無い。

一般の人を対象に分析哲学、論理学、形而上学を解説している本である。

ラッセルが過去に連続のレクチャーを紙上再現した本である。

この本の内容はラッセル特有の理論の解説だけでなく、哲学の歴史の中で語られてきた一般的な解説も含めて説明が展開されている。

哲学の書籍の中ではかなり分かりやすい文体と展開であるが、一応論理学の書籍なので命題関数とかタイプ理論などについてまともに解説している。

哲学の書籍全般に言えることであるが、この書籍も本全体の4分の1は注釈と解説になっている。

書籍を執筆したときの哲学や論理学の潮流の補足解説や予備知識を持たない読者への注釈と解説である。

電車で移動やちょっとした空き時間に読むように携帯して読みたい本である。

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2012年5月21日 (月)

金環日食~薄曇りの中にリングが現れた

薄曇りの中にリングが現れた。

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雲の合間の金環日食の写真。クリックすると拡大。

直接眼で見ないと見えない位の金環日食であったが、確実に見ることができて良かった。

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2012年5月20日 (日)

日食グラスの購入~手塚治虫バージョン

いよいよ明日に迫った「金環日食」だが、日食グラスを駆け込みで購入した。

デザインは手塚治虫バージョンの中のアトム。

手塚治虫バージョンは全4種類ある。

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表のデザイン。

 

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これは裏。使用上の注意書きと、これからの日食の日時が載っている。

直近では今年の6月6日に金星の月面通過があり、このグラスで観測できる。

2030年の6月1日に北海道で金環日食。

2035年の9月2日は関東で皆既日食。

 

日食グラスには小冊子もついていて、色々な解説が書いてある。

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付属の小冊子。

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全36ページのフルカラー。

読んでるだけで結構楽しくなる。

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2012年5月14日 (月)

東京ミッドタウンで「白州ハイボール」

青山に出かけ、六本木を抜けて歩いた。

途中東京ミッドタウンに寄り道し、中庭で一息。

大勢の人がハイボールを飲んでいたので、私も「緑り香るハイボール」を注文。

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テーブルにはメニューがあり、ちょっとした料理も頼むことができる。

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白州ウイスキーのブース。

白州は大変良いウイスキーであるが、山崎の影に隠れている感がある。

もっと飲まれても良いスコッチだ。

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ツマミの料理。

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ハイボールは数種類。

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2012年5月12日 (土)

横浜で打ち合わせ

昨日は横浜で打ち合わせ。

写真は横浜の駅前。

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毎日、激しい夕立がある可能性があるので正直不便だ。

この日もどんよりとした雲があり、チョット夕立のリスクがあったがどうにかもったようだ。

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2012年5月10日 (木)

トイカメラの3-Dカメラ~「3D Shot Cam」

今やカメラと言えばデフォルトでデジカメを意味する。

デジカメは何と言ってもフィルムも要らず、撮ったその場で撮影した画像が見ることができる。

しかも操作が簡単で綺麗に撮れる。

一方、往年の銀塩カメラはマニアやプロ向けとなっている。

フィルムも現像代もプリント代も高い。

綺麗に撮るには腕も必要。

一方でカメラの中で「トイカメラ」というカメラのジャンルが存在している。

「トイカメラ」と言う名前通り「おもちゃのカメラ」であるが、子供向けという訳ではない。

趣味的要素の強いカメラである。

今日はそのトイカメラの中で3Dの写真が取れるカメラ「3D Shot Cam」を紹介する。

これはデジカメである。

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正面はこんな感じ。

3Dカメラ(ステレオカメラ)なのでレンズが2つある。

 

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上から見たところ。

全体がプラスティックで出来ていてる(これはトイカメラの基本)。

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これは専用のViewerで、デジカメの写真を自分でプリントしてこのViewerに

セットし、レンズで覗くと3Dに見える。かなり立体的に見えるから大したもんだ。

これは、3Dというよりも正確には「ステレオカメラ」と言うのが正しい様だ。

2つの写真で3Dを実現する。

デジカメなのでPCで見ることができ、目のピント合せで3Dに見える。

なかなか面白いトイカメラである。

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2012年5月 9日 (水)

駅ターミナルビルの建設スケジュール表

最寄りの駅前が再開発になっている。

小田急線沿線の多くの駅が再開発中のようだ。

最近は建設の情報が掲示されるので良く見ると色々なことが分かる。

マスタースケジュール表も貼り出されている。

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建設対象が大きいからマスタースケジュール表は階層的になっているはず。

だから、さらに各工程や作業チチーム毎のマスタースケジュール表が別途あるだろうな。

ちなみに、このマスタースケジュール表はPCのツールで作成されていると思うが、MS-Projectではないね。

建設業界専用のマスタースケジュール作成ツールがあるのかも知れない。

あるいは汎用的なフリーのマスタースケジュール表作成ツールかも知れない。

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2012年5月 1日 (火)

ピンホールカメラの作成~学研「大人の科学」

昨日、ピンホールカメラの作成をした。

これは随分前に購入したまま作成していなかった学研の「大人の科学」に付いているカメラキット。

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ピンフォールは全部で3つ。

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これは上から見たところ。

 

ピンホールカメラと言うと、子供がカメラの原理を勉強する実用性の無いカメラと思っていた。

特に理科の実験キットというイメージがあった。

しかし、改めてピンフォールカメラを調べてみると、今で言うところのトイカメラとは一線を事にしている事を改めて知った。

学研「大人の科学」のブックレットには、色々な紹介が載っている。

ピンホールカメラの専門のプロ写真家も存在するし、製品としてきちんとしたピンホールカメラも市販されている。

それとピンホールカメラは奥が深く、ピンホールカメラの原理は理解できても、あらためてカメラを手にすると驚きも多い。

まず、レンズによる光の収集が無い上にピンホールの穴が極めて小さい(0.25ミリ)。

これで上手く撮影すればくっきりした写真が出来あがる。

写真はピンホールサイズを変えたり、露出時間などで出来る写真が大きく異なる。
#今回のカメラはピンホールサイズは固定です。自分で改造すれば可能。

それとパンフォーカス(全面にピントが合う)事も、普通のカメラに慣れていると、原理は分かっていても写真を見ると改めて不思議である。

ただし、構造上の問題で4隅に近付くと画質が落ちることが多いが、これが逆に独特の写真となる。

2つのピンフォールによるステレオ撮影やパノラマサイズの写真も簡単に撮影できる。

色々な撮影テクニックが存在し、研究次第で芸術的な写真が取れる。

ときどき誤解している人がいるのは、ピンホールカメラはモノクロだけと考えている方がいる。

実際は勿論カラー写真も問題無く撮影できる。

ただし、(当然と言えば当然だが)ピンホールカメラは夜間撮影が困難であると思う。

なお、学研の「大人の科学」のピンフォールカメラの技術的解説や応用撮影は「笹下研究所」さんのホームページ(http://www.geocities.jp/sasagelab/index.html
)が大変充実している。

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