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2011年4月21日 (木)

ソフトウエアエンジニアのための情報科学全集

3月11日の震災をきっかけに、オフィスの書籍の整理をしなければならないと考えている。

少しずつ整理しているが専門書ばかりなので、特に破棄したいものはない。

その為、どのように管理するかが悩ましい。

ソフトウエアの専門書のなかで全集と言うのは少ないが、かなり以前岩波書店からソフトウエア科学全集が出ていた。

書籍を整理しているついでに写真に収めた。

L1000087 L1000089 L1000101 L1000102 L1000103

時期を置いてまた別の全集が発行され、両方とも取り揃えている。

この全集の内容は、技術の原理についての解説なので、風化されない内容が多く、いまだに読み返したり、調査で参照すると刺激に富む内容だ。

上の写真を開いたところに「命題直感主義」の解説があるが、論理学にも色々な種類、公理系がある。

このような数多くの種類が存在する論理学では、それを専門としている人間でも全てを深く把握することは困難なほど奥が深い。

たまたま、論理学の部分が出たついでに話題を脱線すると、直感主義は形式主義と演繹についての考え方が異なり、決定論的でない。

実は演繹法は人工的な仕組みであり、演繹法があろうが無かろうが「真・偽」は演繹とは独立に定まっている。

演繹は人工的に命題の真・偽を導き出すアプローチである。

(論理学で言うところの全てを把握している)神にとって演繹は必要がない。

神は全てを理解しているからである。

真に宗教っぽい言いまわしであるが、きちんとした数学・論理学・科学の講義でこう説明される。

演繹法に正しく則って推論を行えば、命題(述語あるいは命題関数と言っても良い)は、全て「真」あるいは「偽」であると判断できるという考えは、(演繹法を信じる)人間が決めた公理である。

だから、実を言うと、全知全能の神でない限り、(究極的には)人間では本当に演繹法によって導き出される結論が正しいかは証明しようがないとも言われるのだ。

これまた、宗教めいた言いまわしであるが、れっきとした科学的な数論の世界の表現である。

クルトゲーテルの不完全性定理が発表された時、(ヒルベルトに代表される当時の数論者が目指していた)演繹法の確立が破綻しとして「人間の理性の限界」と言う人が出てきたのだ。

私は「不完全性定理」とても「人間の理性の限界」とは思えないけど。。。ちなみに証明者のゲーテル自身も「人間の理性の限界」とは考えなかった。

少し本線に話を戻すと「直感主義(実は細かく分類すると色々あり、人により主張も微妙に異なる)」は、命題の真偽は人間の責任において判断するのであって、はじめから真偽が決まっているものではないという立場をとる(いわゆる、排中立を論理の原則に含めない)。

直感主義で無い立場(つまり決定論的立場)は、未来のことでも命題の真偽は既に決まっているが、人間が知らないだけと言う立場をとる

これが決定論的と言われる。

ちなみにアンインシュタインは決定論派。神はサイコロを振らない派。

決定論的であるということは、「人間の人生は既に決まっている」という運命論的なこととなる。

「そんな、バカな。未来である人生は何も決まっていない。人間がどのように行動するかでその後が決まる」

と考える人は直感主義派であり、一般的には自然な発想である印象を与えるが、必ずしもそうでもない。

直感主義派では、不透明なコップに入れてサイコロを振ったときに出る目は、コップを明けるまでは「偶数」か「奇数」でもない中間の状態(どういう状態かは想像することが難しい)があることを認めることになる=>だから「排中立」を認めない。

そして、コップを開けた瞬間に、「偶数」か「奇数」にこの時に成ることを主張する。

これは一般的な感覚からするととても信じられない考え方であるが、直感主義の根底にあるのはこういう事である。

逆にコップの中のサイコロの目が、「偶数」か「奇数」はもう出ているが、コップを明けるまでは(見ていないので)人間には分からない、という考え方は決定論派である。

人間が「知る・知らない」「見る・見ない」とは独立に、結果が決まっているという考えである。

結果が出ていないという中間の状態は無いと考える=>排中立を認める

このような議論は未だに続くきろんであり、数論、宇宙論や量子力学の世界でも常に話題の中心の1つになっている。

述語、命題という基本的事項も実は奥が深く単純ではない。

文章や事象の中で、何が主語で何が述語かであるかは、実は機械的に決まるものではない。

専門書を小説のように味わいながら、考えながら読み進め「めくるめく理論の世界に没入」するのも悪くない。

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