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2011年1月

2011年1月29日 (土)

今あらためて文豪”ヘミングェイ”を再読する~ヘミングェイを読まずしてアメリカを理解できない

文豪”ヘミングェイ”と聞いて何をイメージするだろうか?

「老人と海」「武器よさらば」「誰ために鐘は鳴る」「日はまた昇る」などの名作が思い浮かぶかも知れない。

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ノーベル文学賞も受けている。

何度も映画化もされて、いずれも評価が高い作品であるから映像として彼の作品に触れることも多い。

しかし、最近は国内外の文豪の作品を読まない人が多いようだ。

書店には軽薄な成功哲学と自己啓発書で埋め尽くされている。

驚くのは学校の国語の教師の中にも、名作と呼ばれる作品を読まない人が多いということである。

さて、ヘミングェイであるが、作品だけでなく、彼そのものがアメリカの象徴そのもであり、憧れの人間像でもある。

少なくても”ジェネレーションX”世代よりも前なら影響は強く受けていると思う。

ハードボイルドな生き方であり、「釣り」「狩猟」「グルメ(酒、たばこ、葉巻、料理)」「政治活動」などに造詣が深い。

”ハードボイル作家”、”ロストジェネレーション世代作家”と言われる。

ハードボイルというと”冷徹で非常に硬派”なイメージを持つかもしれない。

しかし、ヘミングェイの場合は、作品だけでなく彼の生き様がハードボイルである。

行動派の作家であり、タフガイであり、何事においても豪快な人間である。

日本の小説家も彼の強い影響を受けている。

影響を受けているか分からないが、開高健、北方謙三などにもヘミングェイと似た匂いを持つ作家だ。

ヘミングェイ、彼の私生活(アメリカや キューバで暮らし)や愛用品に関する書籍も多く、それだけ”人間ヘミングェイ”に皆興味と憧れをもっているのかもしれない。

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そのようなヘミングェイを読まずしてアメリカ人の心理や憧憬を理解することは難しいのではないか?

彼の作品は原書で読まないとなかなか本当の良さが分からないという。

会話形式の文章が多く、非常にシンプルな表現と描写で構成されており無駄がない。

日本やヨーロッパの小説に多く見られる、登場人物の(時として病的な位の)ネチネチとした心理描写が無い(少ない)。

今、再びのヘミングェイ。

アメリカ人の正義や憧れの原点が探せるかもしれない。

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2011年1月23日 (日)

デザイナー菊池武夫氏のエッセイ「乾杯!ロストジェネレーション」

自分の世代の人間には”メンズビギ”や”TAKEOKIKUCHI”のブランドで有名なデザイナー菊池武夫氏のエッセイ本があるこをたまたま知り、本屋で購入した。

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昭和61年の出版であるから、もう20年以上まえに出版されている。

ちょうどDCブランド(今じゃあまり使われない言葉だ)が人気のころである。

懐かしいなぁという感じである。

この本を読んでいると昔が思い起こされる。

それまでデザイナーの服と言えば、インターナショナルなファッション・ショーのような服を想像していていた。

たまにTVでファッションショーを放送することがあり、

「こんな奇抜な服、いつ誰がどこで着るのか?」

というような女性向けファンションをイメージしていたが、DCブランドの流行でデザイナーの服が身近に感じられるようになってきた時代だった。

昭和61年頃はちょうど大学生のころであるが、理系であったからバイトは全くできず朝から晩まで勉強とレポートに追われていたころだ。

それでも、ニコル、コムデギャルソン、そしてBIGIなどは大学生の間でも流行しており、時代もバブルへと一直線の時なので世間の華やかが日増しに増していくのが感じ取れた。

バブルだったからだろう25年位前で、大学生に人気があったDCブランドのジャケット1着がが4万~6万円位が相場だったと記憶している、もちろんもっと高価なものもいくらでも存在していた。

さらに驚きなのは、そのような高価な服を多くの学生が何着も購入する時代だったから、今のデフレからすると考えられないくらいだ。

円が強くなり、洋モクや洋酒が比較的手ごろになりだしたのもこの頃。

学生の身分でも洋モクや洋酒が簡単に買えるようになった。

バイトをしないからさほど裕福で無い私も、友人が吸っていた「ラーク」、「マルボロ」など知り吸い出した。ちなみに今は煙草をやめている。

当時、マイルドセブンが200円位の時に、ラークなどは360円だったと思う。それ以前は470円でいきなり360円位に値段が下がった。

今は洋モクの方が安いくらいだから昔を知らない人は驚くかもしれない。

映画「ハスラー2」の公開でビリヤードが大流行し、あちらこちらにプールバーが存在した。

プールバーではバーボンのロックを飲みながら、洋モクを吸い、ビリヤードをする本当に楽しい時代だった。

プールバーは就職してからも同期の友人と頻繁に行っていた。

そんな同期も防衛省に転職する奴や大手ラーメンチェーン経営者の息子で会社を継くために辞めた奴、大学院に戻った奴などみんなそれぞれの道に進んでいった。

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チョコCMの仲里依紗が持つギターは”YAMAHA-SG”(?)

バレンタインデーが近くなってきたせいか、菓子メーカーはチョコのCMも力が入るようだ。

女優の仲里依紗が出ている某企業のコマーシャルを見て”おおっ”と思ったのがこちらのCM。

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仲里依紗がチョコレートで作った(風の)ギターを抱えている。

このギターのシルエットは明らかにYAMAHA-SGである。

いや、絶対そうだ。

どう見てもYAMAHA-SGから型をコピーしたとしか思えない位完璧にSGのシルエットである。

YAMAHA-SGは、今はどちらかというとさほど流行しているモデルではない。

しかし、1980年~2000年位までは高中正義、カシオペアの野呂一生、子供バンドのうじきつよし、そしてサンタナが使っていたので絶大な人気があった。

特に当時の高中正義の人気は凄まじく、一体どれだけのYAMAHA-SGが売れたのか分からない。

かくゆう、私も大学生時代にYAMAHA-SGを購入し今も所有している。

このCMを製作したスタッフの中に、高中正義や野呂一生のファンがいたのかな?

でも、本当にチョコで製作したエレキギターがあれば面白い。

アコースティックギターは難しいが、エレキなら充分可能と思う。

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2011年1月16日 (日)

慶大のセンター試験からの離脱は正解である

慶応大学がセンター試験の参加を取りやめることをニュースでしった。

私はこれは正解であると思う。

そもそもセンター試験にような受験システムは、発展途上国の試験システムだと思う。

先進国に追いつくために、底辺の底上げ式あるいは金太郎飴式な人材育成には役立つが、優れた才能や個性を持つ人間を活かすことは無理である。

大学の教育にも変化が求められるが、「解法パターンの暗記ゲーム」の様相を呈している大学受験からは今の日本が求めている人材は出てこない。

日本人は世界から日本のことをあまり知らないと揶揄されるが、日本史などを中学・高校で相当学んでいるのにこのようなありさまなのは、いったいどうゆうことだろう?

高校が大学受験の準備教育のような場になっているか、本当の内容よりも、「解法パターンの暗記ゲーム」の点をとる表面的なことが重視される教育が実施されているのである。

学校の教師も今の教育システムに歯がゆいのではないのだろうか?

日本は面積も小さく、資源が少ない国だから、技術やアイディアで伸びていかなければならない。

医療方法、技術が日々進歩し、つい5年前までは正解とされていたことが今日・明日からは正解とは限らないのに、「解法のパターンを暗記ゲーム」式受験ではどうしようもない。

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2011年1月12日 (水)

世間を賑わしている「伊達直人」のTVテーマ曲

「伊達直人」を名乗る人からの贈り物がニュースで取り上げられている。

若い人は「伊達直人」についてよく分からないようだ。

もちろん、TVアニメの「タイガーマスク」の主人公だが、自分がタイガーマスクであることを隠し、施設の子供達を面倒みるというヒーローだ。

素顔の伊達直人は、

”二枚目、イタリアファッションに身を包む伊達男、ひょうきん、そしてお金持ちで外車のスポーツカーに乗っている”

というアニメ史上最高の主人公の1人。

Photo(タイガーマスクこと伊達直人:赤い鳥打帽にトレンチコート、コートの下はオシャレなジャケット)

施設の子供から”キザ兄ちゃん”とか呼ばれている。

TVアニメの「タイガーマスク」はリメイク(続編)もされているが、「伊達直人」と施設の子供達のことが良く描かれているのは初代のアニメの方である。

TVアニメと漫画の原作はストーリーが少し異なり、TVではタイガーマスクが伊達直人であることがバレるとアメリカに旅立つところで終了する。

しかし原作のマンガでは車に轢かれそうな子供を助けようとして、自分が犠牲になって死んでしまう悲しいエンディングになている。

さて、TVの方はオープニングテーマ曲も人気だが、エンディングテーマ曲も非常に人気が高い。

エンディングテーマが「伊達直人」についてのバラードであり、タイトルはズバリ”みなし児のバラード”。

http://www.youtube.com/watch?v=DiytzibwMjQ

Youtubeで検索すれば見て聞けることができるが、どうも現在の放送コードに抵触する可能性があるのか、TVでこの曲がフルに放送されることは無いようだ。

ちなみに、オープニングテーマはこちら、

http://www.youtube.com/watch?v=T4v7R2SaEX8&feature=related

昔からタイガーマスクの人気は高く、私も40年以上前の幼稚園児の時、親にタイガーマスクのフィギュアを買ってもらった。

近所の男の子の多くがタイガーマスクのフィギュアを持っていたっけ。

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菊池武夫氏デザインの手巻き腕時計

私が大学生の頃(20年以上前)に人気・実力とも非常に高かったBIGIのデザイナーに菊池武夫氏が居る。

40歳以上の世代にとって、菊池武夫氏はカリスマファッションデザイナーである。

その後菊池氏は、移籍して自分のブランドTAKEO KIKUCHIを発表しするが、その頃デザインした腕時計がこれ。

手巻きでスイス製のクラシカルなデザイン。

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値段も普通の大学生が購入するにはちょっと高い値段だった。

その後、ずっと探していたが運よく購入する機会がありときどき使っている。

菊池武夫氏はその後も時計をデザインしているが、手巻きでスイス製はこの時期のみのようだ。

服、建築、時計そしてソフトウエアなど異なる分野であるが、モノづくりと言う点では共通性アあり、それぞれのアイテムからデザインに刺激を受ける。

なお、菊池氏は勿論現在も活躍しているが、もう随分以前に”TAKEO KIKUCHI”ブランドは若手のデザイナーににゆずり、自身は”40carats&525”ブランドを立ち上げている。

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2011年1月 9日 (日)

黒川紀章設計の『新国立美術館』に行ってきた

   乃木坂にある『新国立美術館』に行ってきた。

この美術館は美術品もさることながら美術館の設計を黒川紀章氏であることでも有名である。

東京メトロ千代田線の乃木坂から直通の美術館で、美術館に行くまでの通路からモダンなデザインが見て取れる。

美術館の外観は流線形のガラス張りが美しい立体感あるデザインが秀逸である。

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美術館それ自体が1つのオブジェのようだ。

内部は地下から最上階までが吹き抜け構造で解放感がある。

またガラス張りであるために太陽光がふんだんに入る用に設計され、照明が少なくて済むエコ構造でもある。

モダンな設計であるが、内部はコンクリートの打ち放しは少なく木を基調とした落ち着いた内装になっている。

吹き抜けやコンクリートと木などは、黒川紀章氏がコンセプトとしていた「共生」の表現の1つかもしれない。

もう1つのこの美術館で思うことは、館内が直感的に移動できることである。

上野にある国立博物館などに見られるように、今自分がどこに居るのか分からなくなるものもあるが、この美術館ではそのようなことはない。

安藤忠雄氏の設計が、外部も内部もコンクリートの打ち放しを基調としているが、加えてデザインが直線的、鋭角的である。

一方、晩年の黒川紀章氏のデザインは極めて流線形になっているところが対照的である。

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2011年1月 4日 (火)

映画「犬神家の一族」のメインテーマには歌詞付きの歌があるの巻

正月休みも終わり今日から仕事と言う方もいる。

正月休みはDVDで犬神家の一族を久ぶりに見た。

監督は映像美が素晴らしい市川崑氏だ。

この市川崑監督は、自分の監督した作品を時代を経て再度リメイクするユニークな監督だ。

ビルマの竪琴も自身でリメイクしている。

犬神家の一族も自身でリメイクされているが、驚くのはその脚本とカット内容である。

普通リメイクすると前作とは色々な意味で異なるものをい作成するのだが、この犬神家の一族のリメイクは、金田一に石坂浩二が再度登用しているし、登場人物のセリフ、重要かつ印象的な各シーンのカットが前作と殆んど同じと言う映画だ(勿論違う部分も沢山あるが)。

さて、色々な話題がある「犬神家の一族」であるが、有名かつ人気がある映画テーマ曲「犬神家の一族~愛のテーマ(愛のバラード)」は、作曲家がルパン三世の主題歌で有名な大野雄二である。

このリメイク版のテーマ曲も前作から同じテーマ曲が使われている。

作曲者が同じで同じ時期に作曲されたこともあり、ルパン三世のエンディングテーマとは一寸似ているメロディーだ。

このテーマ曲はインストであるが、以外に知られていない事として歌詞付きの歌が存在している(前作のサントラに収められている)。

http://www.youtube.com/watch?v=kxY9cQrVMFA

唄っているのはシャンソンで有名な金子由利子氏だ。

歌詞の最初がドキッとするが、なかなか素晴らしい曲になっている。

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2011年1月 2日 (日)

日本で最初の海外レポート番組~「兼高かおる世界の旅」への憧憬

子供のころ週末に良く見ていたTV番組が「兼高かおる世界の旅」だ。

週末なので少し遅い朝食を家族と取りながら、この番組を見ていた。

小学生の頃、とにかく海外で仕事をできるようになりたい、色々な国に行きたいと思うキッカケの番組だ。

メインスポンサーはサンヨーだった気がするが、それ以外には最初はUSの航空会社パンナムがスポンサーの1つであったが、経営破綻し、別の航空会社がスポンサーになっている。

私の記憶では、いずれも航空会社であるが、その後数回スポンサーが変更になっている気がする。

さて、この本には「兼高かおる世界の旅」を中心とした体験談が写真とともに掲載されている。

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単なるレポーターではなく、プロデューサー、脚本家を兼務しており編集もしている。

TV局も最初のレポート番組であったために、カメラマンの育成も兼ねていたというエピソードも面白い。

私も毎年仕事で海外に行くが、今年はアメリカ、ドイツ、フランスを予定している。

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