効率から本質へのシフト~21世紀の製造業には何が必要か?
私が在籍したソニーの創業者の井深さんは、エンジニアでありながら人生の後半を人間の教育に深くかかわった。
今では無くなったしまったが、以前ソニーには”超自然的なテーマ”を研究をする部署もあり、人間の持つ可能性への探究をしていた。
今の21世紀はユビキタスで情報化時代で20世紀とは大きく異なる時代と言われるが、本質的にはさほどかわらないと思う。
ある特定の視点から見ると、あくまで有線が無線になった程度の変化だ。
井深さんがもの作りから、人間の持つ可能性についての課題に取り組むようになった大きな動機の1つに、大量に破棄される家電製品の惨状がある。
ソニー製に関わらず他社の家電製品などが、まだ新しいく十分使われるのにバンバン破棄されるゴミ捨て場の状況を見て、疑問を感じたのだとういう。
まだ真新しいTV、ラジカセ、オーディオセットなどがあちらこちらのゴミ捨て場に破棄されているのを毎日のように見かけるようになったからだ。
「何かがおかしい、どこか間違っていないか?」と感じ、これからの製造業のあり方に違和感を感じたという。
井深さんが疑問を感じてから、ずいぶん時間が経ったがIT時代になってもまだ状況は同じである。
新製品が投入されるサイクルが早いために、バンバン破棄されるIT端末(携帯電話、PC、半導体、etc)や自動車、工業製品、etcが増えている状態だ。
21世紀に求められる製造業は、「生産と破棄を繰り返す従来のやり方」では限界だろう。
インド、中国の発展とともに環境破壊の危機が迫っているのはこのためだ。
日本だって不法投棄の環境破壊は後を絶たない状態である。
21世紀の製造業には何が必要かを考えたときに、生産効率の勝負から本質の勝負へシフト出来た企業が勝ち残るだろう。
人を豊かにするのは”モノ”で無い事は、現在の日本やUSを見ればはっきりとわかる。
モノに依存しない豊かさを提供できて「本質」と言えるのかも知れない。
=HSCI Takanari Hashimoto(URL:http://hsc-i.com/)=
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