映画「亡国のイージス」とソフトウエアシステム
先日、TVで映画「亡国のイージス」が放映されていた。
私も海上自衛隊の護衛艦(戦艦とか軍艦と呼ぶと怒られる)の戦闘指揮装置(CDS)を開発していたので興味深く見た。
#FCSも開発していた。
まさに私が過去に開発してきた一連のシステムであるからだ。
映画「亡国のイージス」での司令室や戦闘指揮の様子は、現実のイージス艦やDD艦の実際の様子とほぼ同じ印象なので驚いた。
私のような開発者も、国から特防のクリアランスを2つ与えられて開発していたので、なかなか外に出ない情報だからだ。
#ちなみには、今現在は私が開発していたころよりもさらにシステムは進んでいると思う。
現代の戦艦は艦橋で指揮をとるのではなく、艦の内部で戦闘指揮をとる。
その内部が特防エリアなのだ。
コンピューターが集中している指揮スペースがあり、艦の乗員であっても入れる隊員はかなり限定される。
海上自衛隊も、良くあそこまで協力したなと言う印象だ。
もちろん、大抵のシーンはそっくりに作成したモックアップを用いたスタジオでの撮影なんだろうけど。
映画の中でDD艦うらかぜがハープンで攻撃されるシーンがあった。
#ちなみに実際には”うらかぜ”という名前の艦はない。同型のDD艦海上自衛隊の第3世代汎用護衛艦は実際に存在する、映画は多分DD-107 ”いかづち”
このハープンで攻撃されるシーンの映画で登場するコンソールシステムや、モジュールであるLink17(実際にはLink○○)をOn/ Offなどの様子、コンソール上のビデオシンボルやエンゲージオーダーも同じである。(正確に言えば、もっと多岐にわたるシンボルの記号がある)
シースパローやハープンの発射の様子もほぼ同じである。
ミサイルで攻撃されたDD艦うらかぜの型のDD艦は、垂直型ミサイル発射装置(バーチカルランチャー)などを搭載して最新のDD艦で、イージス艦”こんごう”と装備の点では引けを取らない。
画面には一部しか映っていないが、コンソールはもっとたくさんあるはず。
コンソールの前に座る隊員毎に役割が決まっており、連携して運用する。
それと、いくらミサイルのハープンでも、一発命中した程度ではDD艦は沈まない(まぁ、映画だからショッキングなシーンにしたようだ)。
ミサイルの大部分は、飛行のための燃料が多く、先端部分に火薬とレーダーが装填されている。
DD艦うらかぜがハープンを迎撃するときにシースパローやGUNおよびチャフの操作が登場したが、実際の自衛官のオペレーションはもっともっと素早い。
もっとも、映画では全てマニュアル(手動)であったが、自動で武器をアサインすることもできる。
そして、あの状況では、通常ターゲットが敵(Hostile)でかつClassがMSL(ミサイル)、そしてNumberが2発と判定されれば、シースパローの迎撃もサルボで発射するはず。
それとミサイルの迎撃がうまくいかない最後の最後は、シウスが自動で作動するはず。
それでも、映画「亡国のイージス」は実際の自衛隊の方が見ても、十分に鑑賞に耐える映画になっていると思う。
あそこまで再現するとは驚きですね。
=HSCI Takanari Hashimoto(URL:http://hsc-i.com/)=
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