アーキテクトになるための書籍シリーズ5~書籍「Javaエンタープライズ・コンポーネント」
前回のピーター・コード氏の書籍に関連して同じく、ピーター・コード氏による書籍「Javaエンタープライズ・コンポーネント」を紹介する。
モデリングについて解説されている書籍である。ピーター・コード氏のアナリシスパターンである。
良い紙を使っていて、ゆとりある紙面の使い方も贅沢だ。
特徴は色づかい。それと独自のカテゴリー分けであるアーキタイプなど。どちらもステレオタイプや制約などをピーター・コード氏が独自の方法でモデリングテクニックとして取り込んでいる。
- ≪物≫緑
- ≪説明≫黄色
- ≪役割≫紫
- ≪瞬間-時間間隔≫ピンク
ただし、ピーター・コード氏の面白いのはアーキタイプが単なるUMLのステレオタイプの別名として使っているのではなく、同じアーキタイプとして区別する特徴は
- 属性
- リンク
- メソッド
- プラグインポイント
を含む点で相互作用的な視点も含まれている。
また、再利用性を最大限に意識しているのだが、独特のモデリングアイディアを持ち込んでいる点が面白い。
書籍を手にしたときは比較的取り組みやすい独特の親近感を感じるが、なかなか奥が深く読み返すたびに良い書籍と思う。
読み手の意識や興味によって意見が異なるかも知れないが、少なくとも上流作業のモデリングを行う方には読んで損はない気がする。
パーティ(パターン)などの考え方は、マウチンファウラーと同じような内容が登場するが、やはりピーター・コード氏の考え方の違いがある。比較しても面白い。
表題にはJavaとついているが、Java以外の言語でも問題なく参考になる。上流のモデリングなので、Javaに依存する部分は事実上あまりない。
アジャルに含まれるFDDにプロセスの説明も後半に書いてあるが、1つの書籍で関連する情報を得られるのが便利と感じるか、書籍にあれもこれも盛り込むと雑多な印象を受けるかは読む方の指向性や興味の対象に依存するだろう。
おそらく開発プロセスにある程度の知識がないと、これだけでは情報が少ない。FDDについて詳しく知りたい方は、別途ピーター・コード氏による書籍があるので、そちらで情報を得ると良い。
=HSCI Takanari Hashimoto(URL:http://hsc-i.com/)=
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