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2009年1月15日 (木)

国際標準規格への対応を急げ~契約打ち切り企業にならないために

今、大企業が取引先の委託先企業の選別に入っていると言ったら驚くだろうか?そしてしたたかに格付けを実施していることも知っているだろうか

グローバルな時代となり、ビジネスの何が変化したのか?もちろん色々ある。

その中でも、価格競争と製品の市場への投入時期の短縮が異常に過激になっている点であろう。製造業では、これに伴い品質問題への対応が深刻だ。

価格競争と製品の市場への投入時期の短縮と反比例しやすいから品質の対応が手薄になりやすい。
しかし、一度問題を起こすとブランド失墜やリコールで経営を圧迫する。

日本の製造業の場合、頭が痛い問題がもう1つある。

グローバルな時代の国際標準化への対応である。

この国際規約の中で、仕事を社外に発注する時は、委託先を格付けし、品質に信用できる企業にのみ委託する義務を課しているのである。CMMI、AutomotiveSPICE、ISOなど多くの規格の中で定義されている。

勘違いして欲しく無いのは、CMMI、AutomotiveSPICEのレベルやISOの認証の事ばかりではない。

CMMI、AutomotiveSPICEのレベルやISO15504などでは、外注先を選ぶ時の選定基準や選定を実施する活動が持ち込まれている。CMMIで例を示すと、この活動に該当する基本的な活動や関連活動の記述は、

  • 「プロジェクト計画策定」プロセス領域
  • 「供給者合意管理」プロセス領域
  • 「測定と分析」プロセス領域
  • 「決定分析と解決」プロセス領域
  • 「プロジェクトの監視と制御」プロセス領域

などが関わってくる。

格付けや評価して、優良と判断された企業にしか委託しない訳だ。そして、この委託先の格付けがしっかり行うことが年々重視されつつある。発注側が委託先の品質の能力をきちんと判断、評価せず仕事を依頼するのは品質に対して無責任であるという解釈だ。

さらに、委託を依頼の時だけ評価するのではなく、継続的に進捗管理、品質保証についての活動をチェックする活動も求められている。日本企業の中で国際標準規格に従い、委託先(外注先)をきちんと管理活動しているのは、いったいどのくらいあるのだろうか?

格付けは国際標準規格に盛り込まれている基準で実施するために、日本の商習慣とは大きく異なっている点もある。

日本では過去の実績やこれまでのお付き合い、あるいは一番安いなどが重視されやすい。
今後は格付けを国際標準規格に基づいて実施することはますます避けられないだろう。

現在の製造業では価格競争と製品の市場への投入時期の対応のために、色々な企業へシステムの一部を委託しているから、製品全体の品質は委託先の実力に大きく依存している。発注元が全て品質を管理できる時代ではない。

そのため、厳格に優良な委託先を選定することが、ユーザーへ高品質の製品を提供するだけでなく、製品にトラブルが発生したときの品質が問題にならないように発注元のメーカーのリスク回避にもなる。

以上から、大手メーカーである発注元は委託先メーカーに国際標準規格へ沿った開発や生産することの対応を迫るのである。発注側のメーカーも必至だ、海外の顧客に高い評価をしてもらうには、製品の魅力だけでなく規約に沿うことがルールとなっているからだ。そうしないと見向きもされなくなる。

大手企業は従来の多数存在している委託先企業の選別に入っている。そしてしたたかに格付けを行っている。この格付けの評価は発注元が利用する評価であるから委託先に教えることはしない。静かに選別が実施されている。契約打ち切り候補企業のリストに入らない保証はどこにもない

大手である発注側も実力ある企業とのみ付き合わないと死活問題になる上に、最近は偽装問題が多発しているので、発注者側がきちんと評価しないと相手を簡単に信用することも出来ない時代だ。品質の偽装も発生しかねない

注文を受ける側は、自分なりに発注元の要望にこたえようとするだろうが、国際標準の格付けの基準を良く知らないためにピント外れの努力をするリスクが高い。

国際標準化への対応はお金と時間がかかるために、なかなか多くの企業が準備できないことも問題もある。情報もなかなか得られないだろう。

一方で大手企業の戦略にもよるが、発注元が委託先メーカーに国際標準規格への対応をうるさく迫ってくる場合は、委託側から見て期待されている証拠とも取れる。

もし、このご時世に発注先からCMMIやAutomotiveSPICEあるいはISO15504や26262などへの対応を尋ねられたり、対応を要求されない下請け企業は危険な状態と言えるかもしれない(あくまでケースバイケースですが)。

今後契約を打ち切る企業には余り熱心に国際標準規格への対応を迫ることをしない傾向があるからだ。

だが、大手企業は、過度に委託先の企業だけの努力に期待せず、高品質の製品を納入してもらうためには、金額や情報提供を含めて色々な支援をすべきである。

そうしないと回り回って自分の企業の問題になる。

是非、大手企業は委託先の支援と指導を重視して欲しい。
日本はこのような連携が得意なはずだから、効果的な勝ちパターンに持って行けるだろう。

=HSCI Takanari Hashimoto(URL:http://hsc-i.com/)=

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