今日は先週あったESECに参加しての「あれこれ」感じたことを書きます。まず、最初は29日に参加した日に行われた「基調講演」についてです。
講演はトヨタ自動車の重松常務です。トヨタ自動車におけるこれからの自動車開発戦略と企業努力についてです。 講演といってもどの企業にでも機密事項はある課から何でもかんでも話せる訳ではないですよね。しかし、講演を聴いて得るものは大きかったと言うのが感想です。トヨタ自動車の開発の現在と未来を垣間見る良い機会でした。

実は重松常務とは一度お話しする機会を得ています。3年前くらいですかね。このときはまだ、常務になられる前でした。本当に自動車が好きで、真剣にトヨタ自動車のソフトウエア開発の未来を心配し、日夜努力されています。
ところで、日本とって自動車産業は私は「もっとも重要で日本のコア産業」と考えています。もちろん、いろいろな視点から見て何が日本の重要な産業かは変わってくると思いますが、日本の自動車産業が駄目になれば、間違いなく日本の経済は終わってしまうくらい自動車産業が日本経済に与える影響は大きい。単に自分が自動車を乗る・乗らないに関係ないですね。
さて、講演の中身は「新エネルギーのエンジン」、「安全性」、「効果的な開発の取り組み」などです。 今日はこの中から「新エネルギーのエンジン」を取り上げます。
「新エネルギーのエンジン」は、世界中の自動車メーカーがガソリンに代わるエンジンを開発中ですが、これは、単に一社の自動車メーカーの存亡だけの問題ではありません。自動車に乗らない方にも関係します。
インド、中国は物凄い国民がいますが、両国とも非常に発展しています。これらの国では今後自動車がものすごい数売れるでしょう。そうすると地球規模で自動車による温暖化、大気汚染が問題になり、その結果自動車産業そのものが危機になるというのです。
そりゃそうです。東京だってあれだけの大気の汚染が一時問題になりました。(工場や一般家庭も影響しているので、自動車だけが悪い訳ではないです)インド、中国は比較にならない人口ですから、確かに何らかの手を打たないと、とんでもないことになるのは素人の私でも理解できます。
さて、私の専門であるソフトウエア開発方法論、手法、RUP,CMMIなどに関することでは、ソフトウエア開発が今後自動車業界の明暗を分けることになるであろうと言うことです。
これは、どの業界でも言われているのですが、現場はまだまだH/Wのことばかり意識があります。この意識を変えないと中国、インドに安い労働賃金に加えて、 ITなどソフトウエアの競争力に力をいれていますから、大変なことになります。幸い、BMWなどもまだまだ意識がH/Wとうことで、今のうちに日本は脱皮して欲しいですね。しかし東欧などはITの競争力が高く油断は到底できません。
もちろん、多くのメーカーはインド、中国などいわるゆ「BRICS」に開発拠点をシフトしましが、日本人労働者はまちがなく淘汰されてしまします。日本人エンジニアの生き残りを賭けた、成長戦略、経営戦略が必要ですね。
私がオブジェクト指向技術やSEI-CMMIのトレーニング、コンサルテーションを実施していても、単にトレンドに飛びついている方と、しっかりした戦略がありその上での採用される方に大きな開きがあります。
さて、明日は、今日出てきたこの東欧について新刊書「東欧チャンス」についての感想です。
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